2009年7月20日に日経が告げた現実についての話

 7月20日に日経がこんな記事を書きました。題名は
 『就職に有利な学生は…、対人関係・勉学 意識高く〜キャリア形成 主体性カギ〜』
 教育欄に寄稿された記事なのですが、これがなかなか現実を感じさせてくれる内容になっております。
 
 
 
1. 記事の内容について
 まず記事の内容について触れておきます。
(1) 大まかな分類
 大学生を「対人関係」と「勉学志向」の二つの側面から整理してみたところ、4つに分類できることが分かった。

  • 本命企業内定→対人志向、勉学志向共に高い人間
  • 本命以外内定→対人志向は高いが、勉学志向は低い人間
  • 受験→対人志向は低いが、勉学志向は高い人間
  • 未内定or就活放棄→対人志向、勉学志向共に低い人間

(2) 本命企業内定人間の特徴
 ・学内外で様々な人間と交流
 (ex:携帯電話の登録件数多い、メール回数多い、異性の友人いる確率高い)
 ・そうした学生は大学の勉強にもかなり熱心
 (私見ですが、「以外内定」の奴とどこが違うのかが分からん……。「そうした」って何?)
(3) 本命以外内定の人間
 ・勉学志向が全般的に低い
  (ex:授業への取組時間が短い、基礎的学力やスキルの未修得、大学で学ぶ理由が曖昧)
 ・アルバイトの時間が長い
(4) 受験組の特徴
 ・大学の勉強に費やす時間が長い
 ・親友がいる確率が低い(約5割、他のグループは7割)
(5) 未内定or就活放棄組の特徴
 ・上全部無い
 ・就活放棄組はゲームに費やす時間が長い
(6) (3)〜(4)の人間を(2)に近づける対策法
 ・対人志向強化への取り組み(特に手段明示せず)
 ・勉学志向強化への取り組み
 (授業に真面目に出席し、必要な知識や情報を入手、何らかの形で成果に結び付ける)
(7) (5)の人間について
 ・根本的なモチベーションへの働きかけが必要
 以下抜粋

「とはいえ、ここでも鍵となるのは勉学志向だ。大学で勉強することは自分一人で始められる。授業に出て勉学に打ち込めば、同じく勉学に打ち込む学生と友達になる可能性は高い。大学生にとって、勉強に打ち込み、友達を作る以上に簡単なことはない。学生生活でのちょっとした決心から輝かしい未来が開かれるのも大学生のキャリア教育では真実と思われる」

 抜粋終わり


2. 考察?
(1) リア充マトリックス(勝手に命名)について
 今回、上手く出来てると思ったのがこのリア充マトリックスです。
 縦軸を対人志向(上が高く、下が低い)、横軸を勉学志向(右が高く、左が低い)で書いてください
 そして、右上から時計回りに、本命企業内定、受験、未内定or就活放棄、本命以外内定、と振り分けてください。
 更に

  • 本命内定→究極リア充
  • 以外内定→アホリア充
  • 受験組→勉強ばかりの非リア
  • その他→生きる価値なし

 と置き換えてみましょう。そして、大学三年のあなた、自身を分類してください。
 単純に四つに分けるだけでなく、より細かく自分が位置するところを明確化してください。


 すると……、現実が理解できます。

  • 右上のあなた、良かったですね。普通にやれば就職できます
  • 左上のあなた、目指す方向を考えて、勉強に励みましょう
  • 右下のあなた、勉強頑張ってね。非リアザマーww
  • 左下のあなた、ええっと……どうして生きてるの?

 なんて感じです。素晴らしいですね。
 ちなみに私は右下でした。非リアザマーされる人です。
 右下でも、予備校通ってる人間は意外に人付き合い多いですよね。私は独学派だったので人付き合いはサークル(しかも薄い)レベルでしかなかったですけど。


 このマトリックスはとても素晴らしいので、ぜひ大学一年の頃から、一年に一度、自分の位置を確かめるのに使ってほしいものです。
 特に大学三年の方には使っていただきたい。色んな意味で自分がはっきりと分かります。
 あなた、本当にあの企業いけると考えてるの?が実感できますし。
 大学ランクが高いなら、左下に入らないレベルなら何とかなるかもしれません。
 しかし、大学ランクが低いにもかかわらず、左下に入ってるあなた、それでいて有名企業を狙っているあなた。本当に大丈夫ですか? 無い内定くらっても知りませんよ。
 と、こんな感じになります。
 皆様もレッツチャレンジ!


(2) 対策の謎
 現状認識にはなかなか便利ですが、対策面においてはからきしでした。
 例えば
 「試験組は対人志向が弱い→対人志向を強める伸ばせる手立てが必要だ」
 ……これ対策も何もなってないような気がするんですが……。
 「勉強できない奴は普段の授業を真面目に受けて、学習するべきだ」
 ……こっちもなあw


 そして、極め付きがこれでした。
 以下抜粋

「とはいえ、ここでも鍵となるのは勉学志向だ。大学で勉強することは自分一人で始められる。授業に出て勉学に打ち込めば、同じく勉学に打ち込む学生と友達になる可能性は高い。大学生にとって、勉強に打ち込み、友達を作る以上に簡単なことはない。学生生活でのちょっとした決心から輝かしい未来が開かれるのも大学生のキャリア教育では真実と思われる」

 ……真面目にそれを言っているのか?
 勉強する→友達増える→以前よりリア充になる
 これ、正直実感無いんですが。授業真面目に出席してたって、別に話す機会無ければ話さんだろうし、てか、それなら勉学志向の奴らがリア充に近づくはずだろと思ったり。
 相当低いレベルの話なら別に構わんのですが、それだと就職活動にはあんまり効果ないしねぇ。


 最後の纏めの直前にはこれw

 「大学生にとって、勉強に打ち込み、友達を作る以上に簡単なことはない」

 なん……だと?


(3) 結び
 分析面ではそこそこ使えるのですが、対策面は使えません。
 結局、自分で頑張れというレベルに回帰するのね。といった印象。
 大学も一年の秋頃から大体、友人関係が規定されていって、そこまでに加われなかった人間はなかなか厳しいものがあるような気が……。
 これに対してどういった受け皿を用意できるか、みたいなことも欲しい。
 勉学志向の強化への対策も、授業頑張れってなあ……。どうなんでしょうね。


 まあ、マトリックスだけやって、あとは自分で頑張れということですね。
 これでいいのかって、大学だからこれでいいのか。
 そんな感じ。